社会一般のための一般科学
すでに知識の最前線へと進みつつある優秀な学生たちのために、この種のコースを準備する事ほど、真面目なSTS学者にとって、やり甲斐のある知的挑戦はないでしょう。
旧来の科学哲学では、科学知識として認められるものは帰納と検証、反証と言った定まった方法に従うものだけであるとされてきました。
又、科学社会学でも科学者の従うマートンの規範が強調されてきましたが、今日では現実の科学がこれから逸脱していることの事例が多く報告されています。
理科系の卒業生の多くは、高度の科学知識を直接使う事がほとんどないような場所・・・工業、国および地方自治体機関に就職します。
小学校・中学校・高校の教師となる理科系卒業生でさえ、Aレベル以上の科学教育で得た知識を特に使う機会はめったにありません。
科学教育のシステムは、この大多数が本当に必要としている教育を十分には考慮しません。
伝統的には、彼らの大多数も研究を指向しているかのように、妥当な科学のピラミッドの頂点に出来るだけ近づくように引っ張って来ました。
・・・しかし、学生が何とかついていけるならばよかろうと、一つの専門科目の方向に引っ張っていくよりも、いくつかの異なる科学の(あるいは科学でないものの)科目が選択できるような、より一般的なコースの方が、レベルは低くても彼らの要望によく合致するのではないか、ということは前から常に認められていました。